フッ化黒鉛生成反応過程は,四つの領域にわけられている。本報告では,反応後期について試作耐フッ素用熱テンビンにより,その機構を検討した。試料は平均粒径800μのフレイク状天然黒鉛,反応温度500~600℃,フッ素圧50,100,200 mmHgで実験した。
反応率xと時間tとの関係は,[1-(1-x)1/2]2=ktで示され,また,反応速度はフッ素圧の平方根に比例する。その見かけの活性化エネルギーは,26±1kcal/mo1である。生成フッ化黒鉛皮膜厚が約6μ以上になると,反応速度は低下する。また,黒鉛粒子が完全にフッ素化される反応時間は,黒鉛の粒子径に依存する。以上の結果から,反応後期の領域は,フッ素分子が生成フッ化黒鉛の層間を通って,反応界面に供給される段階が律速になる。
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