日本化学会誌(化学と工業化学)
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ポリビニルアルコールの橋かけによってつくられる親水性ゲルの合成と性質
平山 忠一川口 皓二本里 義明
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1974 年 1974 巻 5 号 p. 894-899

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抄録

ポリビニルアルコール(PVA)水溶液を油中で球状に懸濁させたものをエピクロロヒドリン(ECH)で橋かけして親水性ゲルを得た。分子量の異なるエチレングリコールのオリゴマーやデキストランのような水溶性物質を,ゲルを充テシしたカラムを通して溶出することによってその透過性を試験した。その結果,PVA水溶液中のPVAの濃度が減少するにしたがって排斥限界分子量が増大し,分子量2×106までの物質の分画に有効であった。一方,PVA球状粒子を酢酸ビニル球状粒子から二段ケン化法によって合成する方法を開発し,これを非溶媒または筆塚溶媒中でジイソシアナート類およびECHにより橋かけした。得られた親水性ゲル(TG,HG,ENG,EGゲル)は排斥限界分子量が約1.5×104であり,溶出液のpHが変化しても膨潤度は変わらなかった。 AG系ゲルは高分子量域の分画にTG,HG,ENG,EGゲルは低分子量域の分画に適当であった。補正曲線の中央の直線部分の勾配α値はゲルの合成方法によって差が認められた。

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