1974 年 1974 巻 5 号 p. 900-904
海水中のマンガンをChelex100キレート樹脂を用いて分離したのち樹脂に捕捉したまま放射化し,簡単な化学処理を経て定量する方法について研究した。
硝酸およびアンモニアでくり返し洗浄して精製したNH4型Chelex100樹脂柱に海水を通してマンガンを吸着させ,アルカリ金属,アルカリ土類金属,ハロゲン元素などの多量成分から分離した。照射後の不必要な誘導放射能をさらに下げるため,0.1N酢酸アンモニウムで洗浄して樹脂をNa型からNH4型に換え,中性子照射した。照射後は0.1N硝酸カリウムで樹脂を洗浄し,妨害となる24Na,82Brなどを除去したのち,樹脂のまま計数してマソガンを定量した。
イオン交換前分離過程におけるマンガン回収率は約98%,空試験値は0.003μg/g・wet・resinであった。
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