1974 年 1974 巻 5 号 p. 910-914
Ni(acac)2(C2H5)3Al2Cl3-P(C6H5)3触媒によるエチレンの低重合を行なったところ,-10℃以上の反応温度では二量体のC4-オレフィンのほかに相当量の三量体,C6-オレフィンが生成し(0℃でC4 40.6%,C6 43.8%),しかもC6-オレフィンの大部分は3-メチル-2-ペンテン(0℃で82.9%)であった。ゼロ転化率法を試みることにより,この3-メチル-2-ペンテンの大部分はニッケルーエチル結合への2-ブテンの挿入によって生じたものであると推定した。また生成するC4およびC6オレフィンの比は,用いたホスフィン類の塩基性に影響されることを認め,その影響をゼロ転化率法の結果から考察した。
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