1974 年 1974 巻 5 号 p. 915-919
α,β-不飽和α-クロロ-β-アミノケトンとチ-ルとの反応および生成物の構造について検討した。すなわち,四塩化炭素中,3-クロロ-4-一置換アミノ=3-ペンテン-2-オン〔1〕,2-クロロ-3-一置換アミノ=1-フェニル-2-ブテン-1-オン〔2〕および2-クロロ-3-一置換アミノ=1,3-ジフェニル-2-プロペン-1-オン〔3〕(置換基;a:H,b:Me,c:Ph)に室温で,エタンチオールまたはp-置換ベンゼンチオール(置換基X:Me,Ph)を作用させ,3-エチルチオ-4-一置換アミノ=3-ペンテン-2-オン〔4a,b〕,4-一置換アミノ=3-p-置換フェニルチオ-3-ペンチン-2-オン〔5a~b,6b,7b〕,3-一置換アミノ=2-フェニルチオ-1-フェニル-2-ブテン-1-オン〔8 a~c〕,および3-一置換アミノ=2-フェニルチオ-1,3-ジフェニル-2-プロペン-1-オン〔9a,b〕を合成した。p-置換ベンゼンチオールの求核反応性におよぼすp-置換基の効果を明らかにした。
エナミノケトンのα-位のエチルチオおよびフェニルチオ基は水素結合キレート環のπ電子の非局在化に寄与していることが明らかにされた。水素結合キレート環におよぼすα-位のs原子の効果はpπ-4π共役による電子吸引的な共鳴効果によるものと結論される。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。