1975 年 1975 巻 12 号 p. 2069-2073
多孔性の強酸性陽イオン交換樹脂を触媒としてエタノールとプロピオン酸によるプロピオン酸エチル合成反応を常圧固定床流通法で行なった。プロピオン酸エチル収率はH+型樹脂を使用して,実験温度範囲内では120℃で最高87.5mol%を得た。
反応温度が上昇するにつれ,プロピオン酸エチルは減少し,反対にジエチルエーテルの増加する傾向が見られた。
樹脂のスルホン基のプロトンを他の金属イオン(Li+,Na+,K+,Mn2+,Ca2+,Ni2+,Mg2+,Al3+)で部分的に交換して触媒活性を比較すると,同交換度において1衝ではLi+>Na+>K+,2価ではとくに差がなかった。3価のAl3+の場合は高交換度でも活性が存在し,他の金属イオンにくらべていちじるしい違いを見せている。
初期速度付近でのエタノー,ル,プロピオン酸分圧変化より本反応はLangmuir-Hinshelwood機構によくあてはまることが明らかにされた。
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