1975 年 1975 巻 12 号 p. 2084-2088
環状オレフィンと酸化チタン表面との反応について知るため,プロピレンオキシドを例として,その沸点で常圧循環法で反応を行ない,反応の進行度,反応生成物の推定構造,物性などについて調べた。
その結果,反応進行度は酸化チタン表面のOH基量の多少により大きく支配され,表面OH基量の多い低温焼成酸化チタンの場合,表面OHはほぼ完全にプロピレンオキシドと反応するだけではなく,後者の一部の重合をも促進すること,とくにアンプル内でさらに高温60℃で長時間(68時間)反応させると重合度は10以上にも達することなどがわかった。
IR吸収スペクトルより,生成物の構造は,下図のように推定され,このTi-0結合には極性的性格が強いため,熱的にはかなり安定で,空気中250℃くらいまでの加熱に耐えるが,いちじるしく加水分解しやすい。
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