1975 年 1975 巻 12 号 p. 2105-2110
pH2.5~5.6,過剰の鉛(II)イオンが存在するイオン強度0.1,20℃の水溶液中で,EDTA,EDTA,OH,CyDTAおよびDTPA(HnX)の鉛(III)錯体とイットリウム(III)との置換反応の初期速度式を,正,逆両反応について求め,各反応径路の全反応速度に対する寄与率を計算した。EDTA,EDTA,6HおよびDTPA系では複核中間体生成径路と解離経路の両径路により,CyDTA系では解離径路のみにより進行することがわかった。解離径路の正反応では鉛錯体の速い解離平衡反応が先行し,逆反応ではイットリウム錯体の解離が律速段階である。また,YHXの生成速度定数を求めて,解離径路におけるYHX(4)の生成反応機構についても検討した。
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