日本化学会誌(化学と工業化学)
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ポリクロロビフェニルの紫外線照射による脱塩素反応 ―反応装置における光源部汚れとPCB処理量との関係について―
西脇 徹碓井 正雄津田 充利案田 欣二
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1975 年 1975 巻 12 号 p. 2132-2137

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抄録

紫外線照射法により高濃度PCB(4.4×10-1mol/1)について脱塩素反応を行なわせる場合,光源部と反応液との境界を構成する石英ガラス(ジャケット)面に塩化ナトリウムが析出し,反応系内への光の進入をいち'じるしく悪化させるが,4.6x10-2mol/1以下の濃度ではそのような汚れはほとんど見られない。
光源の出力特性,PCBのモル吸光係数,量子収率の波長依存性などについて検討し,反応器内で反応の生する場所はPCB濃度が4.6x10-2mol/1および4.4x10-1mol/1の場合それぞれジャケット表面から8.00mmおよび0.92mm以内に集中すると推定された。ジャケット表面での汚れを抑制しつつ,反応器に対するPCB添加量を増加させる方法を検討した結果,反応器外から逐次的または連続的にPCBをアルカリ性アルコール上に滴下し,完全混合系(4.6x10-2mol/1)の場合とくらべて,1.6倍の脱塩素速度で8倍量のPCBを99.5%反応させることができた。

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