日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
ビニルGrignard試薬とカルボン酸類の反応
布本 貞明山下 雄也
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 1975 巻 12 号 p. 2138-2141

詳細
抄録

ビニルGrignard試薬とカルボン酸の反応をカルボン酸の種類,溶媒を変え詳細に検討した。ケトン[1]RCOCH2CH2CH=CH猛の生成しやすさは(CH3)3CCOOH~C6Hl1COOH>C6H5COOH>(CH3)諸CHCOOH>CH3(CH2)4COOH>CH3(CH2)2COOH>CH3COOHの順で,立体的に大きな基をもつビバリン酸シクロヘキサンカルボン酸では定量的にケトン[1]を生成し,立体障害によるものと考えられる。溶媒効果については塩基性溶媒ほどケトン[1]を生成し難く,ビニルGaignard試薬とα,β-不飽和カルボニル化合物との反庵はカルボン酸の反応の場合と類似した反応性を示す。この結果からビニルGrignard試薬とカルボン酸の反応は相当するビニルアルキルケトンを中間体として進むと推定した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top