1975 年 1975 巻 3 号 p. 490-495
金属-臭素からなる二元系触媒存在下,主として常圧下で1,2,4,5-テトラメチルベンゼン(TeMB)を酢酸溶媒中で液相酸化し,活性な触媒を検索するとともに,反応生成物および触媒臭素の経時変化を追跡し,TeMBの液相酸化における反応の特徴について検討した。
触媒活性は金属単独ではCo>Ni>Cr>Mn,臭素存在下ではCo≒Mn>Ce>>Cu>Ni≒Crの順序で,,Hg, Pb, Cd, Ag, Znなどの活性は認められなかった。 Coに臭素を添加した場合, TeMBの減少速度はいちじるしく増加することを認めた。臭素イオンは反応初期のはげしい酸素吸収時に有機臭素へ変換することが認められた。
生成酸の経時変化を追跡した結果,TeMBの酸化は逐次反応で進行することがわかった。また,ジカルボン酸の三異性体,すなわち4, 6-ジメチルイソフタル酸2,5-ジメチルテレフタル酸および4,5-ジメチルフタル酸の生成比は定常期において48:28:24であった。
さらに酸素加圧下での酸化についても検討した結果,常圧酸化と比較して酸化速度はいちじるしく増加し,酸化も高度に進行するが,触媒活性および反応の経過は同様な傾向を示すことを認めた。
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