日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
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クラフトパルプ廃水処理に使用した活性炭のくり返し再生
赤松 勲小林 武上嶋 洋
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1975 年 1975 巻 3 号 p. 550-554

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抄録

クラフトパルプ廃水の3次処理に使用した活性炭のくり返し再生を8回まで行なった。2回までのSpent carbonはカラム吸着に使用したものを利用したが,3~8回のSpent carbonは人為的にクラフトパルプ黒液の希釈液により飽科吸着させたものを用いた。再生温度と再生時間はそれぞれ830C,35分とし,導入した水蒸気量は内径27cm,長さ75cmの炉に対し水として80ml/minの一定とした。
再生炭の収率は8回まで95 1%がたもたれた。再生炭の嵩密度と強度はくり返し再生の回数が増すとともに減少した。これらの再生炭の粒度分布はくり返しの回数とともに小さい粒径に移った。また水銀圧入法による内部表面積と全細孔容積も徐々に増大した。ヨウ素やメチレンブルーやDBSに対する吸着容量も徐々に増大したが,リグニン吸着力は5回目の再生炭において最大となった。
新活性炭によって再生の損失を補充した場合のくり返し再生炭の強度は計算によって求めた。この計算によると強度の低下は補充しない場合に比較して,ある程度小さいことが示された。

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