1975 年 1975 巻 4 号 p. 602-606
シアニドイオンを含むアルカリ性水溶液にオゾン-酸素混合ガスを吹き込み,シアニドイオンを酸化分解させた。25℃,pH 11.0 ~ 13.5,シアン濃度10-2 ~ 10-4 mol/lの試料溶液 250 mlにオゾン供給速度が 8~20mg/minになるようにオゾン酸素混合ガスを供給した場合,初速度法により求めたシアンの見かけ減少速度は v=k[CN-]0.5[O3]で表わされた。なおシアニドイオン濃度については,時間依存の反応次数はほぼ零次であった。pH 13.5シアニドイオン濃度 2 x 10-2 mol/lの試料溶液について求めた活性化エネルギーは 10~30℃の範囲で10.6 kcal/molとなった。金属イオンが共存する試料溶液についても実験を行なったところ微量の銅イオンはシアニドイオンのオゾン分解速度を増大させるが,亜鉛とスズイオンは反応速度に影響を与えないことが見いだされた。
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