日本化学会誌(化学と工業化学)
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酸化チタンの固体酸性とポリヒドロフルオロエチレンの脱フッ化水素反応に対する促進効果
岡崎 進渡部 和男荒川 晴美
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1975 年 1975 巻 4 号 p. 607-610

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抄録

ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリフッ化ビニル(PVF)などのポリヒドロフルオロエチレンの脱フッ化水素分解に対する酸化チタンの固体酸点の促進効果の検討を主目的とした。
このため,まず硫酸法酸化チタン中間製品を各温度に焼成し,焼成温度により固体酸性,とくに固体酸量が大きく変化することを確かめた。つぎに各温度に焼成した酸化チタンを10倍重量のPVDF,PVFに加え所定温度に加熱し,分解生成するフッ化水素量を測定し,この結果をPVDF,PVFの各単独分解結果と対照し,酸化チタンにいちじるしい分解促進の効果があること,さらに促進効果と酸化チタンの酸量(H0 ≦ 4.8)との間に対応関係が存在することを認めた。
つぎに,既報の金属フッ化物の分解促進結果と合わせ,固体酸塩基物質による促進機構,とくに固体酸による促進機構について考察し,比較的進行しがたい初期脱フッ化水素反応の促進に酸点が関与することを述べた。

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