日本化学会誌(化学と工業化学)
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CVD法による窒化ジルコニウム膜およびホイスカーの生成
高橋 武彦伊藤 秀章野口 章一郎
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1975 年 1975 巻 4 号 p. 627-631

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抄録

四塩化ジルコニウム,窒素,水素およびアルゴンを含む混合気中において,窒化ジルコニウム(ZrN)を黒鉛またはシリコン基板上に析出させた。析出条件と結晶形態との相関関係を950~1300℃の温度範囲で検討して,つぎのような結果を得た。窒化ジルコニウムの析出量は温度1200℃で最大を示した。反応ガスの最適組成は,N2/ZrCl4 モル比 1.0,水素濃度 > 40mol%であり,このとき析出速度は約2mg/hr , cm2であった。また,1250℃以上の高温で得られた窒化ジルコニウムは(100)の面配向性をもち,とくに(100)シリコン基板を用いた場合に強い配向性が認められた。黒鉛基板上への窒化ジルコニウムの均一な被覆層とともに,高温領域では,長さ500 unに達するホイスカーの成長が観察された。ホイスカーの成長方向は<111>または<110>であると考えられた。

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