日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
新しい構造解析法のピッチ類への適用と従来法からの構造パラメーターとの相互比較について
片山 優久雄細井 卓二武谷 愿
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1975 年 1975 巻 4 号 p. 692-696

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抄録

芳香族系重質油類の化学構造の解析方法は数種類があるが,それぞれの解析法には固有の解析限界が存在し,解析結果から必要な情報を得られないことがしばしば起きる。そこで著者らは,Hirsch,Brown-Ladner,van Krevelenらの構造解析法を組み合わせ,おのおのの解析法がもつ解析限界を広げ,かつ,いままでよりもくわしい解析の行なえる解析法を開発した。この新しい構造解析法を用いて,石炭および石油系の4種類のピッチの構造解析を行ない種々の構造パラメーターを得た。同一試料について,Brown-Ladner,van Krevelenの解析法から求められた構造パラメーターと著者らの解析法からの構造パラメーターとを比較した。比較の結果,著者らの解析法が,Brown-LadnerとvanKrevelenの解析法の欠点を補う解析法であり,かつ,ピッチ類のような複雑な多環芳香族物質の解析に十分使用できることが確かめられた。

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© The Chemical Society of Japan
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