1976 年 1976 巻 11 号 p. 1760-1766
逆浸透法において原水の塩濃度により水の膜透過係数が変化する,いわゆる塩による膜の緻密化現象"salt-inducedcompaction"に関する薪究を目的として,セルロース=アセタート膜を用いて実験的検討を行なうとともに,その理論的考察を行ない,つぎのような結果を得た。
(1)水の膜透過係数Aは,一般につぎのような実験式で表わすことができ,圧による膜の緻密化が無視できる場合は,近似的にα≡0とすることができる。
(2)塩による膜の緻密化現象は,原水の塩濃度が1mol/l以下の場合には,塩の種類による影響はほとんど認められない。
(3)塩による膜の緻密化現象は,膜の膨潤圧の変動にともなう膜構造の変化が原因と考えられ,本質的には圧による膜の緻密化現象と同一の現象であると推定された。
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