1976 年 1976 巻 12 号 p. 1862-1868
ワックスーステルの定量的な状態分析を行なうために,およびアルコールから成るエステル(C24~C36)の単独,あるいは混合物の質量クロマトグラフィーによる基礎的な検討を行な夷その結果-ステルを轍する酸イオンおよびアルコールィオン(CH2)の強度と炭素数の間にはつぎの関係が成立することを認めた。すなわち,(1)炭素数が等しいエステルの場合,構成酸あるいは構成アルコールのイオン強度は,構成酸あるいは構成アルコールの炭素数が小さいほど強く,構成酸あるいは構成アルコールの炭素数と相対イオン強度は構成酸では-次関係を示し,構成アルコールでは一次関係を示さなかった。(2)炭素数が異なるエステルの場合,炭素数が等しい構成酸あるいは構成アルコールのイオン強度は,エステルの炭素数が大きいほど強く,エステルの炭素数と相対イ:オン強度は構成酸および構成アルコールとも-次関係を示した。(3)エステルの混合比を変化させてもモルあたりの相対感度は一定であった。
そこで,構成酸イオンを用いる質量クロマトグラフィー分析で,飽和のワックスエステルのGC分析で1ピーク内の複数成分の解析が可能となり,ヘキサデシルパルミタートを主成分とする鯨ロウの分析に適用して新しい情報を得ることができた。
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