日本化学会誌(化学と工業化学)
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4-クロマノン類とホルムアルデヒドとの酸触媒反応
蜷川 彰大見 幸義松田 治和
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1976 年 1976 巻 12 号 p. 1926-1933

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抄録

4-クロマノン類とホルムアルデヒドとの反応を酸性雰囲気中で行ない,反応物に与える反応条件の影響を検討した。ポリリン酸中で,4-クロマノン,6-あるいは8-メチル-,または5,7-ジメチル-4-クロマノンから生成した可溶性樹脂の分子量は300~2400であった。硫酸中からの生成物の分子量はポリリン酸中からのものより大きかった。ポリリン酸や硫酸中での6,8-ジメチル-4-クロマノンとホルムアルデヒドとの反応生成物は5-ヒドロキシメチル-6,8-ジメチル-4-クロマノンであったが,ジオキサン溶媒中,過塩素酸を触媒とした場合は樹脂状物となった。過塩素酸を触媒とする4-クロマノン類とホルムアルデヒドとの反応をジオキサン溶媒中で行ない,動力学的に検討した。4-クロマノン類,p-メトキシアセトフェノンやm-キシレンとの反応速度定数,活性化エネルギーおよび活性化エントロピーの値を求めた。4-クロマノン類の反応性はm-キシレンと同程度であった。

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