日本化学会誌(化学と工業化学)
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充てん複極槽によるクロム酸塩およびシアン化物廃液の電解処理
吉沢 四郎宮崎 義憲片桐 晃
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1977 年 1977 巻 1 号 p. 19-24

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抄録

充てん複極槽では,充てん粒子間が単位電解槽となって電解が起こるので,有効電極面積は非常に大きく,極間距離が短くなり,反応物がすばやく電極面に移動できるため,希薄溶液を電解するのに適し~ている。したがって,この電解槽を廃水の電解処理に応用することができる。
本研究では,充てん複極槽による電解方法が可能となるための条件や電解槽特性を明らかにすることを目的として,炭素粒子を充てんした充てん複極槽を用いてK2CrO4およびKCN水溶液の電解処理を行ない,電解槽特性におよぼす充てん粒子の種類,大きさ,および印加電圧の影響について検討した。CrO42-はCr(OH)3に還元されて粒子上に析出した。CN-はCNO-噌に,あるいはさらにCO2およびN2に酸化された。充てん粒子としては接触抵抗が大きな活性炭を使用する必要のあることがわかった。活性炭粒子を充てんした電解槽で電解を行なうと,通常の電解槽にくらべて反応速度は大きく,電力効率が高いという結果が得られた。また,印加電圧が大きくなるにつれて,反応速度は大きくなったが,電力効率は低下した。粒子の大きさ,および印加電圧に関する最適条件は溶液の濃度に依存するものと思われる。`

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