日本化学会誌(化学と工業化学)
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Karl Fischer滴定法によるフッ素含有鉱物中の水の定量(その2)
山谷 和久
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1978 年 1978 巻 11 号 p. 1492-1497

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抄録

フッ素含有鉱物を加熱すると,試料中の水素の-部はフヅ化水素となる。このフッ化水素を約400℃に加熱してあるパラジウムァスベストー酸化銅(III)の充てん剤と反応させて水に変換する。試料中の全水分を無水混合溶媒(メタノールーエチレングリコール)に吸収させ,KarlFischer滴定法によって水分を定量する。試料の加熱温度は鉱物の種類および鉱物中のフッ素含有量によって大きく異なっている。たとえば雲母類鉱物では,フッ素含有量が多い試料ほど加熱温度を高くする必要がある。本法の精度は大変よく,確率水準95%での平均値の信頼区間は白雲母では4.55±0.04%,金雲母では3.44±0.03%,黒雲母では3.43±0.01%であった。

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