日本化学会誌(化学と工業化学)
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試作無電極放電分子ランプを用いた分子スペクトルによる一酸化窒素の測定
大道寺 英弘赤井 義朗本間 厚
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1978 年 1978 巻 11 号 p. 1503-1508

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抄録

酸化窒素の発光スペクトルを得られる無電極放電管をつくり,この管から得られた発光スペクトルを調べNOの吸収測定用の光源として使用した。装置はジャレルァッシュAAlE原子吸光装置に石英製吸収セルをとりつけ,窒素で希釈したNO標準ガスを通して吸収測定を行なった。
(1)無電極放電管からの発光スペクトルは,190.0~280.OnmにNOγ,β,δ,εスペクトルが検出され,281.5~491.7nrnにN2スペクトル,330.0~522.8nmにN2÷のスペクトルが検出された。ランプ内の封入ガスに凡03を使用しているが,ガス圧が低いと放電により分解してNOの発光強度が弱くランプの寿命も短い。Np3として8Torrが最適であるが,窒素を混合するとさらによい結果が得られる。NOスペクトルの発光強度は,239.3>247.1>226.3>…>214.9nmであった。(2)重水素ランプによる吸収スペクトルはNOランプからの発光スペクトルとほぼ同型であった。無電極放電管と重水素ランプによる吸収感度を比較すると前者が約6倍高い値を示した。1%吸収感度は214.9nmで0.83PPmであり検出限界は0。04PPmであった。

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