日本化学会誌(化学と工業化学)
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パルス-FT-13C NMRによる直鎖パラフィン類,カルボニル含有化合物,置換ベンゼン異性体の定量法の検討
山崎 満宇佐美 隆生簗田 茂夫武内 次夫
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1978 年 1978 巻 11 号 p. 1509-1514

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抄録

パルス-FT-13CNMRを定量分析に適用するための基礎検討として,直鎖パラフィン類,ケトンーエステル混合系,置換ベンゼン異性体混合系の19CNMRシグナル面積と核数とが比例関係になるための実験条件,とくにパルス条件を検討し,上記混合物の分別定量の精度,正確度を明らかにした。炭素数7~19の直鎖パラフィンではパルス幅(m)がある程度短いほど,パルス間隔(PD)が長いほど,13Cシグナル面積と核数の比例関係がよく成立することがわった。テトラデカンに対し,YYニ20μsec,PD=5secの条件下で相対誤差10%以下でCHZ炭素のシグナル面積と核数との間に定量関係が成立した。アセトンー酢酸メチル混合系のカルボニル炭素のシグナル面積強度,およびS/NはPDとPWにより,いちじるしく響影され,シグナル強度の増加と5/IYの良好な条件はPDニ8~10sec,jPW=20~60μsecが適当であり,この条件下で上記混合物の分別定量の精度,正確度はともに約3%であった。o-,z-,p-トリルアセタート異性体混合物はOAc基あるいはCH3基の結合環炭素,カルボニル炭素を利用して,PD=15secの条件下で,相対誤差6%以下で分別定量できることがわかった。

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