日本化学会誌(化学と工業化学)
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タリウムの同位体希釈表面電離質量分析法
室住 正世中村 精次五十嵐 龍志
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1978 年 1978 巻 11 号 p. 1515-1520

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抄録

T1をスパイクとして用いる同位体希釈表面電離質量分析法により超微量タリウムが定量できる。03T1スパイクを加えた試料溶液より111%ジチゾンークロロホルム溶液のIQml中にタリウムを抽出分離したのち,1%硝酸の5m1中にタリウムを逆抽出する。14N硝酸0.2mlと60%過塩素酸0.1.mlを加え,パィレックスオーブン中で純粋窒素ガスを通じつつ,蒸発乾固する。蒸発残留物を0。015%シリカゲル60μZと2%リン酸5,ulの混合溶液に溶解する。この濃縮溶液の-部を質量分析計の表面電離装置のレニウムシングルフィラメントにローディングし分析する。本法の検出感度は10響15~,である。質量分析上の精度は,2°sfi1/2°3T1同位体比測定の変動係数として0,1~0,5%である。本法を岩石,植物および海水試料に応用した結果,タリウム含有量のくり返し分析の精度は0,2~1.0%であった。

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