日本化学会誌(化学と工業化学)
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デンプン溶液の濁度に対するpHの影響
平佐 興彦字治川 秀雄
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1978 年 1978 巻 11 号 p. 1565-1569

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抄録

排水の汚濁度の連続測定および管理の立場から,排水中の汚濁物質問の相互作用の汚濁因子への影響を明らかにするため,のり抜き工程からの排水のモデルとして,デンプン溶液の濁度へのpHの影響について検討した。デンプン溶液の濁度は溶液のpHの増加とともに減少し,本実験条件下では,そのpHによる可逆性はほとんどなかった。この濁度の減少は,デンプン粒子のアルカリ吸着による可溶化に起因すると考えられ,このときの吸着はF`reundliehの吸着等温式にしたがう。
この結果,排水中のデンプンの濃度C7はつぎの式で表わされる。
ここで,3,は定数であり,Tは溶液の濁度,pKwは水のイオン積指数pH1は溶液の濁度と濃度の関係を求めたときのpHの値である。この式から,排水のpHおよび濁度を測定することにより,デンプンの:濃度が求められ,あらかじめ濃度とCOD,BODとの関係が求まっておれば,これらの連続測定も可能になる。

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