日本化学会誌(化学と工業化学)
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マイクロ波放電による一酸化窒素の分解
鈴木 伸松本 和雄古賀 修
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1978 年 1978 巻 7 号 p. 1037-1042

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抄録

Nラジカルは窒素のマイクロ波放電によって生成し,一酸化窒素とつぎのように反応することが知られている。
N + NO → N2 + O
このマイクロ波放電による一酸化窒素分解に関する研究を行なった。
実験はつぎの二つの方法で行なった。
(I)一酸化窒素を含む混合ガスを直接マイクロ波放電させる。
(II)マイクロ波放電を行なった窒素ガスに一酸化窒素を混合させる。測定はすべて流通法で行ない,種々の反応圧力,流量,マイクロ波出力および添加物による分解への影響を調べた。
上記両方法(IとII)において一酸化窒素が分解されることを確認した。マイクロ波出力の増加は一酸化窒素の分解を高めるが圧力,流量の増加は減少させた。本実験において温度の影響はみられなかった。マイクロ波放電には放電可能な上限圧力が存在し,この上限圧力は,マイクロ波出力,流量に依存する。
種々の実験条件におけるこれらの結果を窒素ラジカルの生成,反応,失活によって説明した。

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