1978 年 1978 巻 7 号 p. 967-971
フッ素含有鉱物中の微量の水を定量するには,試料を加熱したとき水とともに放出されたフッ化水素を定量的にフッ化物と水に変換させなければ定量値に負の誤差をもたらす。そこで試料として高純度の二フッ化水素カリウムを用い,この熱分解によって定量的に生成したフッ化水素を水再生管(仮称)内の充てん剤と反応させ,生じた水をKarl Fischer滴定法で定量し,充てん剤の検討を行なった。充てん剤としては,約400℃に加熱したパラジウムアスベスト-酸化銅(II)がもっともよく,その回収率は100.1±0.49%であった。この充てん剤を用いて白雲母中のいわゆるH2O(+)を定量した。またこの試料に一定量の二フッ化水素カリウムを添加して定量した結果,添加した二フッ化水素カリウムから生成した水を差し引いた白雲母中の水の値と,二フッ化水素カリウムを添加しないときの値とがよく一致した。
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