日本化学会誌(化学と工業化学)
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亜硫酸カルシウム四水和物の合成およびその加熱変化
松野 昂士小石 真純
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1979 年 1979 巻 12 号 p. 1687-1689

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抄録

クエン酸ナトリウムを0.05wt%含む水酸化カルシウム懸濁液と二酸化硫黄との4~6℃における不均0系反応により,粒径3~60μm(平均径:15μm)のプリズム状あるいはサイコロ状の亜硫酸カルシウム四水和物の透明結晶を得た。合成物の化学組成はCaOが29.7wt%,SO2が32.5wt%およびH20が35.9wt%であり計算値とよく-致した。四水和物の粉末X線回折図形ではd値の5.SO,3.64,2.88および2.68にきわめて強い4本の回折線が認められた。-定の昇降温条件下で四水和物の熱的性質をDTA,TGおよびDSCにより調べたところ,30~69°Cおよび363~390°Cに,それぞれ30。9wt%および3.8wt%の吸熱をともなう減量が認められ,前者は712H20,後者は1!2H20の気化に起因するものと考えた。さらに,DSCにより34.3~55.5°Cに四水和物から半水和物への変化にともなう吸熱があり,その熱量は約17kJ!m。1(CaSO3,4H20)であることを明らかにした。

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