日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
空気中ならびに水中の低エネルギー表面における各種液状油性物質の挙動
荻野 圭三茂村 健一
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1979 年 1979 巻 6 号 p. 685-689

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抄録

低エネルギー表面上における各種液状油性物質の空気中ならびに水中における挙動を界面化学的見地から研究した。低エネルギー表面としてポリプ導ピレンを用い,油性物質としてC614熱飽和脂肪族アルコール,C6~C11脂肪酸およびC10~C14直鎖パラフィンを用いた。実験は基質上の油滴の接触角,油の表面張力および油/水界面の界面張力を測定した。その結果,脂肪族アルコールと脂肪酸は空気中においては同じ挙動を示したが,水中では異なる挙動を示した。すなわち,油性物質の異なる極性基,つまりヒドβキシル基とカルボキシル基とでは異なる挙動を示す。
接触角の測定と界面張力とから各種油性物質の表面張力の分散力成分と極性成分の寄与について検討した。その結果,表面張力の分散力成分は油性物質のアルキル基の炭素鎖長によって増加し,一方,極性成分は炭素数6個以上でほぼ一定にたもたれることを認めた。また,ポリプロピレン表面と油性物質との相互作用エネルギーについても計算を試みた。

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