日本化学会誌(化学と工業化学)
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12モリブドリン酸およびその塩の水素,一酸化炭素による還元
新山 浩雄常木 英昭越後谷 悦郎
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1979 年 1979 巻 8 号 p. 996-1002

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抄録
12モリブドリン酸,その類似縮合酸素酸および12モリブドリン酸の金属塩の水素,一酸化炭素による還元性状について検討を加えた。酸類については水繁による還元は対応する酸化物(MoO3.MoO3-P2O5)より低温で起こるが,そのさいKeggin構造は破壊される。多くの金属塩のうち,銀塩,銅塩はとくに水素による還元を受けやすく,またその構造は酸素酸化により再生される。易還元性序列は銀塩>銅塩>ニッケル塩>酸,およびその他の塩であった。低温における還元は1陰イオンあたり6還元当量まで進行し,それは水溶液中でのポリ陰イオンの挙動とよく対応する。一酸化炭素により還元した場合の易還元性序列は,水素による序列とは異なり銅塩>ニッケル塩>酸>銀塊となった。これらの還元性序列と,その固体を触媒として用いたときの触媒能の序列との間にはよい相関性があり,還元性状の検討が接触酸化反応の理解に役立つことが示された。
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