日本化学会誌(化学と工業化学)
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ポリ(金属フタロシアニン)を用いたピロールの水素化脱窒素反応
高宮 信夫小泉 健高野 道雄
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1980 年 1980 巻 12 号 p. 1819-1823

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抄録

従来から液相酸化触媒として知られている各種のポリ(金属フタロシアニン)を不均一気相触媒として用いピロールの水素化脱窒素反応を行ない,これらの触媒の活性について検討した。活性は中心金属種により異なり,活性の大きなものから,ポリ(コバルトフタロシアニソ),ポリ(白金フタロシアニン),他の8種のポリ(金属フタロシアニン),Mo,Fe,Ni,Mn,Zn,Cr,Pd,Cuの順となり,コパルト,白金以外ではあまり活性を示さなかった。また単一型で最高活性を示したCoにNi,Fe,Cu,Cr,Ptを混合した混合型ポリ(金属フタロシアニン)ではポリ(コパルトー白金フタロシアニン),ポリ(コバルト-鉄フタロシアニン)がおのおのの単一型であるポリ(コバルトフタロシアニン)やポリ(白金ブタ戸シアニン),ポリ(鉄フタロシアニン)より高活性を示し2種の金属による混合効果が認められた。またポリ(鉄一ニヅケルフタロシアニン)においても2種の金属による混合効果が認められた。ポリ(コバルトフタロシアニン)を用いて速度論的解析を行ない,速度式ro=k[C4H4NH]-0.4[Ho]0.8という結果を得た。また450~5256Cにおける見かけの活性化エネルギーは15.9kcal/molであった。

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