日本化学会誌(化学と工業化学)
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部分四級化4-ビニルピリジンテロマー型界面活性剤の合成とその銅錯体による2,6-キシレノールの乳化重合
山田 仁穂小出 善文金納 雅之正泉寺 秀人
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1980 年 1980 巻 12 号 p. 1875-1880

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抄録

部分四級化4-ビニルピリジンテロマー型界面活性剤(LVP-BQ,LVP-EQ)を合成し,その銅錯体を用いて,水-ベンゼン混合溶媒中で2,6-キシレノール(XOH)の乳化重合について検討した。
1-ドデカンチオールを溶媒,アゾピスイソブチロニトリルを開始剤として,4-ビニルピリジンの溶液重合により4-ビニルピリジンテロマー(LVP)を合成し,つぎにメタノール溶媒中で塩化ベンジルあるいは臭化エチルを作用させて部分四級化を行ない,LVP-BQおよびLVP-EQを得た。
XOHの乳化重合に対するLVP-BQの触媒活性は,水-ベンゼン界面への吸着および乳化のため,高分子配位子の部分四級化ポリ(型ビニルピリジン)(IVP-BQ)あるいは単座配位子のピジジンより高くなかったが,触媒活性は銅とピリジノヒ基のモル比,溶媒組成,ゲフエスのふりまぜ速度,乳化剤,触媒の重合度四級化剤あるいは四級化率ゐ違いによってかなりの影響を受けた。各種の2,6-二置換フェノール類の重合速度と電子移動速度定数の対数値あるいは基質のHammett σ 値との間には直線関係が成立したことから, 均憎溶媒中と同じように,電子移動過程が反応の律速になるものと考えられる。

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