1980 年 1980 巻 12 号 p. 1894-1897
サラン廃棄物から製造した炭素質吸着剤による空気中め酸素の除去試験を行なった。サラン廃棄物の600℃炭化物に粘結剤(バインダー)としてコールタールピッチを4.5~27.3%造粒剤としてアビセル(微結晶セルロース)あるいは亜硫酸パルプ廃液を9.1%加えてよく混合してから,ディスク型ペレタイザーで球径1~2mmのペレヅトを製造した。ペレットをロータリーキルンを用いて窒素気流中で温度850~1000℃で加熱処理した。得られた炭素質吸着剤を2本の吸着塔(内径23mmφ,長さ50,100cm)に充てんして,空気の圧力スィソグ吸着を行なった。吸着条件は圧力2~5kg/cm2,吸着塔出ロガス流量25~1000Nml/min,吸着時間1~2分とした。その結果,サラン廃棄物から製造した炭素質吸着剤を用いて,空気中の酸素を0.1~0.2%まで減少させうることがわかった。また,吸着圧力が高いほど吸着塔出口ガス中の酸素濃度が減少すること,吸着塔出ロガス流量が大きいほど出口ガス中の酸素濃変が増加することなどが認められた。コールタールピッチの添加量は炭素質吸着剤の酸素除去能力に大きく影響し,添加量9.1%のものがもっとも性能がすぐれていることがわかった。
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