日本化学会誌(化学と工業化学)
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微小管および微小管タンパクに対するグリセオフルビンおよびその誘導体の構造活性相関
佐藤 良博斉藤 祐子白鳥 順子正田 佐代子細井 純
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1981 年 1981 巻 5 号 p. 746-754

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抄録

(+)-グリセオフルビン[1]とその誘導体17種のブタ脳から得た微小管タンパクに対する重合阻止活性と,微小管に対する解重合活性を,構造活性相関から考察した。試料として,[1]を化学的に変換した11種の誘導体,また[1]をウサギに投与して得た6-デメチル化体を原料とした3種の6-アルコキシ同族体および[1]の生産菌Penicillium urticaeの培養で得た7-ラデクロログリセオフルビン[2],およびその5-位または7-位ブロモ誘導体の計18種を用いた。試料の滑性嫡比粒度の測定により,解重合活性,重合阻止活性を[1]の活性に対する相対強度(%)として示した。その結果から,37℃ における解重合活性と重合阻止活性の順序にイソグリクセオフルビン[11]の場合を除きほぼ一致することが明らかとなった。[1]の鏡像体の(-)-グリセオフルビン[10]は解重合活性,重合阻止活性いずれもきわめて低かった。また[1]の作用は電子顕微鏡での観察で確認した。さらに,試料中でもっとも強い活性を示した3'ブロモグリセオフルビンは4℃におけるaggregate形成作用を[1]と比較した結果,これより活性が弱いことが証明された。

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