1981 年 1981 巻 8 号 p. 1306-1312
ビスフェノール型エポキシ樹脂を脂肪族α,ω-ジカルボン酸で硬化するさいに,促進剤として第三級アミンを添加する,あるいは添加しないことによりエステル結合のみで形成された硬化系あるいはテステルーエーテル結合の混合する硬化系が得られ,一方,第三級アミンを硬化触媒とすることによりエーテル結合のみで形成された硬化系が得られた。これら三者の硬化系の力学的緩和挙動を調べ,セグメント構造との関連からその緩和機構を明らかにしようとした。
その結果,エステル型およびエステルーエーテル混合型硬化系ではヒドロキシエーテル部分が可動的aもとなるのに対して,エーテル型硬化系はこれを含まないことが示された。このうちヒドロキシエーテル部のような可動構造を含む璽化系のβ緩和はこれを含まない硬化系のβ緩和にこの可動構造部分の運動が加わった複合緩和挙動と考えるべきことが明らかにされた。またγ緩和は少なくとも4個以上のメチレン連鎖の運動に基づくことが示された。
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