日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
ハロアシルキトサンの調製
平野 茂博近藤 陽太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 1982 巻 10 号 p. 1622-1625

詳細
抄録

キトサンの緩和なアシル化法を開発し,アフィニティクロマトグラフィー担体やキチナーゼ,リゾチーム酵素基質構造特異性の研究に重要な新しいハロアシル誘導体を調製するを目的とした。キトサンをトリフルオロ酢酸,クロロ酢酸またはギ酸に溶かす。これに無水酢酸を加え,75~80℃ で数分から2時間処理,または,トリフルオロ酢酸,ベルフルオロプロピオン酸,ペルフルオ減酪酸,クロロ酢酸のいずれかの酸無水物を加え,室温で18時間処理した。キトサンのハロアシルおよびホルミル誘導体(置換度=1.9~3.01GlcN)が生成し,72~97%収量で単離された。さらにO-脱アシル化すると相当するN-アシル誘導体(置換度1.0/GlcN)が75~86%収量で単離された。これら誘導体はいずれも永および一般有機溶媒に不溶であった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top