日本化学会誌(化学と工業化学)
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P-ニトロベンゼンスルホニルーク自リドメタンスルホン酸銀トリフルオロトリエチルアミン系を用いるベンジル=2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-D-グルコピラノシドのビオシル化反応 直鎖型三糖類の合成
厚東 伸借森島 直彦入沢 晃己橋本 洋介山崎 雅代膳 昭之助
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1982 年 1982 巻 10 号 p. 1651-1656

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抄録

アノマーヒドロキシル基以外のヒドロキシル基をベンジル基で保護した二糖類誘導体と,グリコシル化されるヒドロキシル基以外のヒドロキシル基をベンジル基で保護した単糖類誘導体とを脱水縮合させる方法によって直鎖型三糖類を3種合成した。Cellobiose,Xactose,およびlaminaribioseのオクダアセチル誘導体をそれぞれ遊離の1-位ヒドロキシル基を有するhepta-O-benzylcel1biose,-1actosb,および一1aminaribioseに誘導する行程を確立した。これらをそれぞれジクロロメタン中p-ニトロベンゼンスルポニル=クロリドートリフルオロメタンスルホン酸銀-トリエチルアミン系の存在下にbenzy12,3,4-tri-0-benzyl-α-D-glucopyranosideと脱水縮合させて得た主生成物を,接触還元によ劾脱ベンジル化して,6-0-β-cel1obiosyl--lactosyl-,および-α-laminaribiosyl-D-glucopyranaseを合成した。その結果,二糖類の1-OH誘導体中のグルコシル基の結合位置によって本試薬系による脱水ビオシル化反応の立体選択性が変化することがわかった。

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