日本化学会誌(化学と工業化学)
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α,α-hレハロースの6,6'一二脂肪酸エステル同族体の合成ならびに抗腫瘍活性
西川 嘉廣香取 達彦茎田 憲一池加 哲郎
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1982 年 1982 巻 10 号 p. 1661-1667

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抄録

著者らはさきに,α,α-トレハロースの6,6'-distearateの簡便な合成法として,この二糖の2,2',3,3'-テトラベンジル誘導体を部分的にアシル化したのち,接触還元によって脱ベンジル化する経路を提出した。今回この方法を用いて,つぎの8種のトレハロース-6,6'-ジエステル同族体を合成した。Acetate:m151~154℃,Octanoate:mp170~171℃,Dec.anaate: mp157~163℃,Laurate:mp161~164。C,M yristate:mp157~161℃(以上文献未知),Palmitate:mp160~162℃,Stearate:mp151~154℃1..nate:mp129~134℃
ここに得たdecanoate以外の化合物につき,2種の白血病細胞-L-5178YおよびL-1210-に対するin vitroの抗腫瘍性を細胞培養法により検定した結果,用いた検体はすべて両細胞に対しある程度の増殖阻止活性を現わすことが判明した。いずれの細胞に対しても,1aurate.がもっとも低いID50値を与え,アシル基の鎖長が12より長くもしくは短ぐなるにつれ,ID50値は高くなる傾向を示した。一方behenateを除く化合吻につき,マウスEhrlich腹水がんに対するin vivo抗腫瘍劾果を総細胞容積法により検定したところ,acetateとoctanoateはまたく無効であつたが,decanoateizyouno以上の同族体には強い活性が認められた。

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