日本化学会誌(化学と工業化学)
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DL-6' -エピバリドキシルアミンAの合成
小川 誠一郎末継 勝豊國 健須網 哲夫
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1982 年 1982 巻 10 号 p. 1721-1726

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抄録

農業用抗生物質バリダマイシンの主成分であるバリダマイシンA〔1〕を酸加水分解するとD-グルコースとバリドキシルアミンA〔2〕が得られる.後者は分岐鎖をもつ2個の相異なるシクリト-ルがイミノ基を介し結合した擬似二糖類と見ることができる。バリダマイシン類の活性発現は,〔2〕とD-グルコースの結合位置および結合様式に影響されることが知られている。ここでは,これら抗生物質の構造と生物活性の相関を究明する目的で,〔2〕の異性体を合成した。分岐不飽智シクリトール部分の前駆体となるエポキシシクロヘキセン誘導体〔8〕とパリダミン〔5〕の保護体〔16〕(いずれもラセミ体)との反応生成物をアセチル化して単離し,第二級アミンのジアステレオマー混合物〔19a,b〕を71%の収率で得た.ついで,保護基を除去すると〔2〕の6'-エピマのジアステレオマー混合物〔3a,b〕が得られた。そのオクタアセタートはシリカゲルを用いるカ-ラムク質マトグラフィーで,それぞれジアステレオマーのラセミ体〔20a〕と〔20b〕に分離することができた。

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