日本化学会誌(化学と工業化学)
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ネオマイシンBからパロモマイシンIおよびその6'''-OH異性体への化学変換
戸田 惣一郎内藤 隆之川口 洋
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1982 年 1982 巻 10 号 p. 1713-1720

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抄録

アミノ配糖体抗生物質ネオマイシンB〔1〕を出発物質として,6'-な位または6'''-位アミノ基のベンジルオキシカルボニル(Cbz)基による選択的保護,残りのアミノ基のエトキシカルボニル(Cbe)化,脱Cbz化による6'-位または6'''-位アミノ基の再生,亜硝酸ナトリウムによる6'-位または6'''-位アミノ基のヒドロキシル基への変換,Cbe基の除去の5工程を得て,6,- deamino-6'-hydroxyneomycinB〔12〕および6"t-deamino-6,"-hydroxyneomyein B〔13〕を合成した。これらの化合物の脱アミノ基の位置は,主として13C-NMRスペクトルの解析により確定された。天然物との比較により〔12〕はパロモマイシン1〔2〕に同定された。〔1〕,〔2〕および〔13〕は類似の抗菌スペクトルを示したが,抗菌力は〔1〕がもっとも強く,〔13〕は〔2〕と同程度かやや劣っていた。急性毒性は〔13〕がもっとも低く,〔1〕の約1/5であった。

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