1982 年 1982 巻 7 号 p. 1179-1186
塩化アルミニウム(AICI,)存在下,各種脂肪族または芳香族カルボン酸無水物によるベンゼソのアシル化の反応速度を測定した,その結果,脂肪族カルボン酸無水物をアシル化剤として用いた場合,ナノしみのシル化の速度は,無水物濃度に3/2次,ベンゼン濃度に対し一次の見かけ上5/2次式で表わされた。Taftプロットの結果,ρ*=3.91,δ=-0.37であったeρ*値が大きな正の値を示すことから,本反応の律速段階は無水物とAICI3との相互作用から生成した陽電荷をもつ求電子剤によるベンゼンへの攻,撃段階にあると推定した.しかしながら,立体反応定数δの符号が負であることや,対称および非対称p,p-置換安息香酸無水物によるベンゼンへの競争的アシル化の結果と考えあわせると,AIC1パによる,カルボン酸無水物の塩化アシルへの開裂段階もアシル化の速度にかなり重大な影響をおよぼすことがわかった。以上の結果と,カルボン酸無水物によるアシル化と塩化アシルによるアシル化との問に多くの類似点が見られることから,AIC13存在下でのカルボン酸無水物によるアシル化でのフシル活牲種は,1塩化アシルーAICI31対1付加錯体と推察した。
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