1982 年 1982 巻 7 号 p. 1233-1236
イソプレンとジエチルアミンのテロメル化反応によるN,N-ジエチルネリルアミン〔2〕の合成において,高価なブチルリチウムに代えて,安価なハロゲン化リチウムと金属ナトリウムを触媒とする方法について検討した。イソプレンとジエチルアミンの混合液に直接塩化リチウムと金属ナトリウムを加えて反応させると副生物が多く,〔2〕の収率はいちじるしく低いeジエチルアミンに塩化リチウムと金属ナトリウムおよびその可溶化剤として共役ジエンまたは縮合環芳香族炭化水素を少量加え反応させてあらかじめリチウムアミド触媒を調製しておき,これにイソプレンを加えて反応させることによりブチルリチウムの場合と同様に約80%の収率で〔2〕を得ることができた。臭化リチウム,ヨウ化リチウムでも餅結果が得られたが,フッ化リチウムでは成功しなかった。リチウムジエチルアミド触媒生成の機構について考察し,さらにフッ化リチウムのみ成功しなかった理由について熱力学的考察を加えた。
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