1982 年 1982 巻 9 号 p. 1443-1448
原料および調製条件の異なるTiO2担体に,含浸法によりモリブデンを担持させた。さらにTi[OCH(CH3)2]4からのTiO2のモリブデン含浸前後の焼成温度の違いによる活性,選択性への影響を調べた。とりあげた反応は,流通法でのプロピレンの水和・酸化脱水素(190℃),2-プロバノールの分解(190℃,120℃)およびパルス法でのシクロブ群パン異性化反応(250ど)などである。その結果,つぎの知見が得られた。1)TiO2-MoOx触媒において,SO42-は酸牲を強めるが,酸化脱水素活性を低下させる。2)TiO2の焼成温度が低いほど表面ヒドロキシル基が多いが,このヒドロキシル基量とプロピレンの水和・酸化脱水素反応率の間に直線関係が認められる。3)低温焼成のTiO2にモリブデンを担持させると,TiO2やMoO3単独にくらべて熱的に安定となる。4)TiO2-MoOx触媒では,水蒸気の存在によってLewis酸点がBrOnsted酸点に転化する。
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