日本化学会誌(化学と工業化学)
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アンチモン酸プロトン導電体素子の中温域における感湿特性
三浦 則雄八島 勇山添 〓
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1985 年 1985 巻 9 号 p. 1644-1649

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抄録

プロトン導電体のうちアンチモン酸が熱的に比較的安定で,水蒸気分圧により導電率が変化する特性を生かして,100~200℃の中温域で作動する湿度センサーを試作した。アンチモン酸だけからなる素子では応答は遅いが,ジフェニルシランジオールをバインダーとして2wt%添加し,素子を多孔質化することにより,応答速度は大幅に増加した。本素子は,通常の多孔質セラミックス型素子では困難な低湿度の検知が可能であった。また,アンチモン酸のH+の一部をNa+で交換した試料を用いることにより感湿特性を変化させうることがわかった。素子の経時安定性については,作動初期にはヒドロキシル基の生成によりドリフトを起こすが,一定時間後には安定作動した.さらに,本素子では100~150℃でインピーダンスの温度依存性が小さいため,正確な温度制御を必要としない特徴も有している。

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