日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
酸化チタン(IV)-アルミナ系複合吸着剤の高温水中でのコバル卜吸着特性
藤田 一紀武内 瀞士山下 寿生
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 1985 巻 9 号 p. 1656-1660

詳細
抄録

醸化チタン(IV)-アルミナ系複合吸着剤の280℃の高温水におけるコバルト吸着特性を調べた。吸着剤はチタン(IV)イソプロポキシドおよびアルミニウムイソプロポキシドを出発原料とし,それぞれ加水分解したのち酸化物とし,混合,混錬,押出し造粒,焼成の工程で調製した。吸着剤の比表面積は酸化チタン(IV)のモル分率が高くなるにしたがい減少したが,コバルト吸着量は増大した。酸化チタン(IV)のモル分率0.55,焼成温度500℃で得られた吸着剤の280℃における3ppmコバルト水溶液(pH4.445)での平衡吸着量は110μeq・g-1であった。カラム法によって求めた吸着措の長さは空塔速度10h-1,線速度3.4m・h-1の条件で62.5cmであった。カラム吸着実験209時間後の吸着剤のアルミナはベーマイトが生成し,アナタース型酸化チタン(IV)のみかけの結晶粒子径は初期の18.1nmから32.6hmに増大していた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top