土壌中の腐植物質に対する陰イオン界面活性剤の吸着性を検討するため,腐植の構成成分であるフミン酸へのLAS,AOSおよび硫酸アルキル塩(SAS)の吸着特性について調ベた。これらの活性剤の平衡吸着量はCMCで飽和値をとるが,CMC以下では濃度に依存し,Freundlichの吸着等温式が適合した。吸着等温線の傾き(1/n)は,いずれの界面活性剤でもほぼ等しく,1/nは0.75~0.83であった。この値は,腐植質土壌の場合に得られた値とほぼ一致する。また吸着性におよぼすpHの影響はほとんど認められなかった。SASの同族体やC10~13LASへの平衡吸着実験から,アルキル鎖長が増加すると吸着量は増大し,C10~C14のSASについてはTraubeの法則が成立した。また,吸着に対する温度の効果はきわめて少なかった。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。