1985 年 1985 巻 9 号 p. 1671-1675
カルボニル化合物を展開Raneyニッケル(以下Ra/Niと略記する)とともに水-メタノール中に懸濁させ,これに硫酸水溶液を滴下することによりケトンからは相当する第二級アルコールが,アルデヒドからは第一級アルコールが高収率で得られた。そのうちとくにベンゼン環に直結したカルポニル基は,過剰のRa/Niを用いたさいメチレン基にまで還元された。同様に,炭素-炭素二重結合も容易に水素化されたが,同一分子内に炭素-炭素二重結合とカルボニル基を有する不飽和ケトンの還元ではまず炭素-炭素二重結合が,ついでカルボニル基が水素化され,したがってRa/Ni使用量を調節することによりそれぞれ選択的に相応する飽和ケトン,飽和アルコールを得ることができた。
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