日本化学会誌(化学と工業化学)
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カルシウム-マンガン炭酸塩固溶体の熱分解
松木 健三鎌田 仁
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1985 年 1985 巻 9 号 p. 1700-1703

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抄録

マンガン-カルシウム炭酸塩固溶体を水溶液から合成し,その熱分解過程および生成したCaMnO3-xの熱的性質について,TG,DTAおよびXRDにより検討を行なった。CaMn(CO3)2を空気中で加熱すると,800℃付近でカルサイト型構造は消失し,マンガンやカルシウムの酸化物およびその複合酸化物が生成するが,加熱時間とともにペロブスカイト型構造の非常に均質なCaMnO3単一相となり,結晶が成長していくのが認められた。空気中1000℃で焼成し急冷して得たCaMnO3-xを808と1120の間で加熱,冷却をくり返したところ,加熱では酸素欠損の増加による重量減少,冷却では欠損消失による重量増加を示し,DTA曲線に880℃で発熱,890℃で吸熱ピークが見られた。これらのピークは,CaMnO3-xの酸素欠損の生成および消滅による結晶転移温度に対応しているものと考えられる。

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