日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
GrayanotoxinIおよびIIIの選択的脱水および酸化反応
寺井 忠正
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 1985 巻 9 号 p. 1728-1733

詳細
抄録

現在ツツジ科植物から単離されたGrayanotoxin類は50余種におよぶが,G-1,G-IIIを除けばいずれも微量成分である.したがってこれらの成分の活性試験などは十分に行なわれていない。そこで今回G-1およびG-IIIからこれら微量成分への変換を検討した。酢酸メタノールによってG-IIIのC-100Hのみを脱水しG-IIに変換し,塩酸-メタノールによってiso-G-IIへ,無水硫酸銅-ジオキサンによってC-10OH,C-160Hが脱水さin,G-VII,G-VIIIへ変換できた。またG-IIIの3,6,14,16-テトラアセタートの硫酸銅による脱水は1(5),10(20)-ジエン体を生じた。一方,天然物として,3-オキソ体(G-V),3,6-ジオキソ体(G-XVII)が単離されている。G-IIIを酸化クロム(W)酸化すると3,6-ジオキソおよび3,6,14vトリオキソ体の混合物を生じるが,NBS酸化するとG-XWを生じ,炭酸カルシウムを添加しNBS酸化するとG-Vが得られた。またG-IIIを亜臭素酸ナトリウムで酸化すると3,6vジオキソ体が得られた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top