日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
人工膵臓用グルコースセンサーのためのグルコース透過制限膜の特性
海田 章一郎石田 睦伊藤 要市川 健次湯川 孝雄大倉 國利中尾 昭公市橋 秀仁近藤 達平小島 洋彦
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1987 年 1987 巻 3 号 p. 507-511

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抄録

人工膵臓用グルコースセンサーのグルコース透過制限膜としての酢酸セルロース非対称膜を種々の酢酸セルロース濃度のキャスト液から製膜し,また60~90℃ の各温度で熱処理して調製した。これらの膜のグルコースに対する透過係数,Pm,を同期回転翼を備えた回分式透析器を用いて測定した。一方,グルコースセンサーに膜を装着して,その検量線を測定した結果と比較した。人工膵臓用グルコースセンサーに適する膜の透過係数の値は,1.0×10-6cm/s付近であることがわかった。この膜を装着したグルコースセンサーは,ヒト血漿中でも3時間にわたり安定に,また正確に応答し, 生体への適用性を示唆した。

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© The Chemical Society of Japan
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